ブリリアショートショートシアター オンラインでの視聴です。
画像をみただけで伝わってくるコメディな雰囲気が、すでにツボ。
ショートフィルムについては、こちらの記事でも紹介しています。
https://komanoblog.com/moive/recommendation-to-watch-short-films/
作品紹介
あらすじ
ヨシはユダヤ系肉屋の人気店員だったが、ある日失業してしまう。同じユダヤ系のお店で職探しをするがうまくいかず。そんな彼の目の前に現れたのはアラブ系のハラール肉屋だった。
監督
Lewis Rose
“ロンドンを拠点に活動し、脚本家として受賞歴もある他、監督や、時に俳優としても活動している。彼の作品は、パームスプリング映画祭やロンドン映画祭など多くの映画祭で上映された。また、ミュージックビデオやテレビ番組、有名企業のCM制作などにも取り組んでいる。最近は自身初の長編映画の準備を進めている。
レビュー
レビューテーマは、信仰と価値観です。
(書き方かたいけど、コメディですよ!)
信仰はアイデンティティの一部となりうるけど、人の価値は信仰に左右されるものではない。
そんな考えをよびおこしてくれる作品でした。さっそくレビューいきます。
・ヨシはできる従業員なのに…
主人公のヨシはとにかくできる従業員。
精肉の技術はもちろんのこと、常連客への愛想もいい。
そのうえアクロバットな包丁さばきでお客さんを楽しませることも欠かさないサービス精神の持ち主です。
難点があるとすれば、上司と折り合いをつける気がないということ。
彼なりの理由があるとはいえ、値引きやおまけを無許可で繰り返しているは、社会人としてアウト。キッカケはどうあれクビになるのは同情の余地なしです。
・信仰を重んじる
背に腹は代えられぬ!ってことで、ヨシは異なる信仰をもつ職場にいき着くんだけど、信仰が希薄なわけじゃないってとこは重要ですよね。
これがきっかけで、新しい職場での立場が危うくなっていくわけですが…
本家の人たちに、そういうものだと言われれば、私もアン・ハサウェイぐらい迷いなく言っちゃだろうな。
だけど、その後に続く展開はちょっと血の気が引きました。
・人間の価値とは
結局は、現オーナーにも信仰の違いがバレているし、前のオーナーもそれを知って連れ戻しに来たわけで。
そこで彼に留意を迫った経営者の判断は当たり前ですよね。
使えない家族より、使える他人ということ・・・
そうじゃない企業もわりとある気がしますが、数字を見る経営者であれば当然の判断でしょう。
しかし、ヨシの決断は思わぬものだった!
とまではいかず、わりと既定路線な最後でしたが、結末としては気に入りました。
ひとりの人間の研鑽が、宗教や思想の垣根を超える瞬間には、しびれました。
まとめ
信仰は当人の人格の一部ですが、その人の持つ技術の価値は偏見なしに評価されてほしいと私は思いますし、監督Lewis Rose氏は、そう言ってくれたのだと感じました。
優れた個人がこれまでの慣習を超えて、新しい文化を切り開いていく結末も気持ちが良かったです。
それにしても精肉店てそんなにあるものなのでしょうか。
経営者は大変ですね。
基本が家族経営なら、求職者の椅子取りゲームが過激になるのは納得です。
信仰はアイデンティティの一部となりうるけど、人の価値は信仰に左右されるものではない。
以上、ショートフィルム「ヨシの精肉店」レビューでした。
おしまい
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