ドクはなぜカティサークを飲んだのか
本作の主人公のひとりドクター・シャーリーは、ドライバー兼用心棒のトニー・バレロンガに毎晩カティサークを一本用意するように頼みます。
毎晩ウィスキーを一本飲むというのは、アウトローなトニーすら驚かすほどの酒量です。
バーテンダー的な解釈としてカティサークを選んだ理由は3つ。
・カティサークがイギリスのウィスキーであること。
・カティサークがブレンデッドウィスキーであること。
ひとつずつ考察していきます。
カティサークのボトルカラーがグリーンだったこと。
画像参照:カティーサークブランドサイト
本作のタイトル「グリーンブック」になぞらえてボトルが緑のカティサークが登場するというのはとても分かりやすい(作中の年代に合わせるためボトルデザインは現在のものとは異なっているようです)
作中には他にも翡翠や車など緑のアイテムが何度も登場していました。
ドクにとっては、グリーンブックと同じく旅のお守りだったのかもしれません。
カティーサークの名前の由来でもある実在の船カティサーク号の航海と本作の旅路を重ねてみるのもロマンがありますね。
カティサークがイギリスのウィスキーであること。
アメリカにいながらイギリス産のウィスキーを飲むという行為に、アメリカ人として認められないドクの現状が現れていたように思えました。
本来アメリカにはバーボンという国産のウィスキーがあります。
しかしドクが飲むカティサークは、イギリスのウィスキーであるスコッチ。
この場違いな取り合わせを自身の境遇と重ねながら毎晩を過ごしていたのではないでしょうか。
カティサークがブレンデッドウィスキーであること。
ドクの抱える自己の複雑さをブレンデッドウィスキーを飲むという行為に置き換えてみることもできます。
ドクは、黒人という枠組みと異なる自分のルーツや人格に葛藤していました。
そんな彼にとって、黒人専用の宿に泊り、ひとりの黒人としてそれ以外の人格を剥奪される中でカティサークを飲む行為は、複雑な自己の回復を意味していたように思えます。
このように、ただアルコールに酔うことのほかにカティサークを飲む理由があったように思えてならないのです。
まとめ
今回は映画「グリーンブック」を一本のウィスキーから考察してみました。
映画やこの考察で気になった方は、ぜひカティサークお試しください。
グリーンブック配信サイト
グリーンブックを観るなら、Amazon Prime Videoがおすすめ。
初回登録なら一カ月無料です!
学生ならさらにお得に利用できます!
最後までお読みいただきありがとうございました。
【映画とお酒の関連記事】
コメント